カフェ番長

カフェ番長「カオポン」の、珈琲と喫茶店日記。 時には鞄を作ったり、ジャズを歌ったり。 手作りの暮らしを楽しんでます。

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のどぐろを頂く

のどぐろはね、喉開くと、喉ん所がくろーく見えるんだな。だから、喉黒って言うんだな。

帰宅すると、先に仕事から帰ってきていた家人が、そう教えてくれた。
ふーん、そうなんだ。
それはともかく、まあ見てよ。
得意気な顔をして、買ってきたばかりの包みを広げてみせる。
「見てみて、魚屋のおじちゃんがね、ちょっと嬉しそーな顔してたんだ」

包みを広げながら、少し前までいた、魚屋の事を思い出す。
思いっきり梅雨空の夕方、雨を逃げるようにして入った店の中、私のを顔を見るなり
待ってましたと、おばちゃんが店の奥の冷蔵庫から魚を一尾抱えてきた。

「ちょっと値が張るんだけどねえ」
店の人たちが顔を揃えて、すまながる。
良いんです、良いんです。
だって元々、今日のお魚は庶民が買うには十分背伸びしたような物だって事知ってましたし。
二月前の旅先で、私たちはのどぐろの美味しさに悶絶した。
いやあ、アレは美味かった。いや、美味すぎた。あの味に出会わなかったら、
あの旅はもっとケチがついていた。のどぐろに出会うまで、ずいぶん失敗した選択もあったけれど
あれのお蔭できれいさっぱり、嫌な事は帳消し。むしろ、良い想い出に塗り替えられてしまった。

だからさ。
ダメでも良いから言ってみるよ。
もう一度、美味しいのどぐろ食べてみたいなあ。

ちょうど四日前、いつもひいきにしている市場の魚屋さんにその話をしたら、
魚屋のおじさんは、表情を変えることなく「いいよ」とうなずいた。
築地か、納屋橋の市場になら毎日あるらしい。けれど、高級魚だけに、
買い手がいない事には店に卸すわけにはいかないと。
なら、絶対に買います。木曜日。木曜日の夕方には必ず参ります。お金はお任せします。
そう約束を交わして、市場に行ったのだ。閉店一時間前に、駆け込むようにして。

IMG_2080.jpg

------ちょっと値は張るけどさ。
店のおじさんは、もういちどすまながったけれど、私は少しも気にならなかった。
----なにこれ…!
20センチ弱の身、お頭のところに何やらタグがついている。
---延縄……一本釣り……。一本釣りって、釣ってんの?!
素っ頓狂な声をあげた私におじさんは笑って答える。
----刺身で食べたいって言ってたから、網よりもこっちの方が断然良いからね。
そう言った後、もう一度おじさんは値が張ってねえと言う。

ああ、おじさん。
これ、これ!そういうところが好き。値段は聞いたら、正直にびっくりしたけれど
それでも欲しいと思った。きっと、この魚。簡単には手は入らないと思う。
けれど、お客の為にとっておきのを出してあげようと、私の知らないところできっと頑張ったに違いない。
のどぐろは煮つけか塩焼きが良いと聞く。
半身は煮つけに、そして半分は刺身で食べてみることにした。

IMG_2084.jpg



IMG_2082.jpg

いくらタグがついてるからって、あそこ(旅先)で食べたものには及ばないでしょ。
私も家人も少なからずそんなことを思っていた。でも、やっぱりちゃんと美味しく食べたい。
煮つけはあえて色が出ないように、白出汁と、金沢で買った「いしる」を少し。
砂糖も少し、しょうゆも少し。鮮度が良いので、さっと炊いただけ。

家に戻ってから20分後には調理完成。
魚のお供に青森県の地酒「豊盃」夏酒。きんきんに冷やして頂きます。
さあ、いただきましょう。

煮つけに箸をいれると、ほわっと身がほぐれ、口に運ぶと柔らかな味。
白身独特の淡白さはなく、白身なのにトロをたべているような、
でも、不思議にさっぱりもしていて。


「美味い!」
「うまっ」
「……!」
「……!」


いやあ、参った!
店で食べたら、もっと気の利いた調理ができそうだが
刺身と煮つけで十分堪能。そして少し時間の経った煮つけの煮汁を見ると
良い感じで煮凝りができようとしている。

ならば、ここにそうめんを入れてみようと思います。




IMG_2086.jpg


みょうが、インゲン、ねぎを散らして固めに茹でたそうめんを入れて、さあこれで閉めましょう。

ああ・・・美味しい。
そして、こんなにもおいしくて幸せな気持ちにさせてくれた、市場のおじちゃんと
おいしいお酒を進めてくれた酒屋の主人と、
何よりも、頑張って釣り上げてくれた釣り師さんも。
ありがとう。本当にありがとう。


おいしいものを頂くと、本当に幸せな気持ちになるんだよね。

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| 家ごはんと、お弁当 | 22:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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