カフェ番長

カフェ番長「カオポン」の、珈琲と喫茶店日記。 時には鞄を作ったり、ジャズを歌ったり。 手作りの暮らしを楽しんでます。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

土曜の夜遊び その1

土曜の夕方、ぼんやりとしていたら電話が鳴った。
電話の相手は、よくジャズの相手をして下さるM氏の奥様。
とてもよく通る声で、「今、伏見にいるんだけど」と。
何でも伏見で昔からやっている飲み屋へ、今から飲みに行くらしい。
飲みに行くって言っても、まだ日が暮れるには随分早いなあ。
そんな事を思いながら「ふん、ふん」と相打ちを打っていると、
奥様は「良かったら、どう?」とお誘いの言葉をかけてくれた。

うわあ、伏見か。どえらい(凄い)街ん中じゃん。
名古屋の町中に住んでいながら、伏見や栄には殆ど足を伸ばしたことの無い私は
一瞬気が引けた。飲むって言ってるけど、何着ていけばいいんだ?
ジーンズは駄目か?靴は磨いてないぞ。お金は…カードが利くのか?
そもそもどんな所だ?普通の飲み屋か?いや、先方様の事だから料亭かもしれんぞ。

「分りました」と一度電話を切ってから、家人と眉を顰めて、そんな事を話した。
そして二人して髪を整えると、もう一度電話を入れた。
念の為に「ドレスコードってありますか?」と訊ねてみる。
「ドレス…なに?」と聞き返されたので、「ジーンズで行ったら…駄目?」と聞きなおすと
「あはは」と笑われた。
ジーンズで、がんがんOKな所だと聞いてホッとする。
と同時に、急に期待で気持ちが昂ぶってくる。
いつもいつも、お会いするたびに極上の大人の遊びを教えて下さる方だから、
今回もきっと凄く面白い事が起きるに違いない。
そこから先は、とにかく急いで身支度を済ませた。


地下鉄に乗って、駅を9つ越して、7番目の出口に出た。
出口から上がったら、すぐ其処だよ。
そう言われたのを頼りに、出口に繋がる階段を上がると、もう夜は更けていた。
地下鉄に乗る前は、日は暮れたものの、まだ少しだけ空は明るかった。
寒いなあと空を見上げると、ビルの真上にお月さんが見えた。
半欠けの、少し形の悪いお月さんだった。

「ついたよ」と電話を入れると、程なくM氏がやってきた。
言われたとおり、出口の前にある店だった。
しかしその店が、とても名古屋のど真ん中の…
きっと一坪当たりの土地代が物凄く高そうな所に在るとは思えないような
古い作りの店だったから、まずは先制パンチを食らった。
そして店の中に入ると、そこから一気に「昭和」に戻った様な気になった。



daijin002.jpg




「大と言う字に『左甚五郎』の甚で、大甚って言うの。ここは随分昔からやっててね。
ほらほら、カオポンちゃんの後ろの所に色々並んでるから、そこから好きなようにとって。
もうここは何でも美味しいのよ、ほらこの鍋なんかもねー」

私達が来る前に一杯やっていて、すっかり気持ちのよくなっていた奥様は、
歌を歌うようにきれいな声で色々と説明をしてくれる。
隣に座るM氏は黒の皮ジャンとハンチング帽子が決まっていて、
何だか北方謙三みたくニヒルな笑みを浮かべて私達を迎えてくれた。
木の長机に、家人と肘寄せ合って座る。店の周りをぐるっと見渡すと、
席はどこも満席で既に盛り上がっている。

daijin001.jpg


木の柱に、適当に古い時計。ガラスの台の他にも水引き箪笥の中にも、お惣菜が盛りつけられた大皿が3枚。ビールを頼むと、10秒もしないうちに中瓶がどんと置かれた。
酒の肴は何にしようか。カボチャを炊いたの、五目白和え、酢さばに鰯を煮たのに、筍に、それから……。
急にお腹が空いて、ビールと一緒に選んだ肴をがつがつ頂く。

「ここはね、4時過ぎからやってて、でも9時には店がしまっちゃうの」
「えーっ、早い!」

そうか。だから早いうちから飲んでいたんだ。
ここでまずは一杯飲んで、そこから次の店へと梯子して。
みんな、そういう飲み方をしているのだろう。
適度に賑やかしく、客の雰囲気も何だか感じが良い。
たぶん、自分が一番場に馴染んでいないと思う。でも、そんな事はどうでも良い。


うわぁ、今日は何だか楽しいっすねー。夜は始まったばかりだし。

心の中で、何度も呟いてみた。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



楽しかった週末の話。今日はここまで。
先週は家人も私も、物凄く忙しくしていました。
でも、週末は美味しいお酒を親しい方と飲めて、楽しむことができました。
この大甚という酒場。本当に名古屋の一等地のビル街にポツンと建っています。

先ほど「大甚」について調べたら、素敵なサイトを見つけました。
名古屋地方の月間情報誌「ケリー」の記事です。
大甚が明治の終わりごろから創業していたなんて凄いや。

おかずはどれも懐かしい味がしました。お酒は樽酒。美味しかったです。
最後に会計を清算する時、お店の御主人はそろばんでパチパチとはじいていました。
凄いや、どこもかしこも昭和だ。
そう思いながら御主人の顔を見ていたら、御主人がとっても洒落たメガネをかけているのに気づきました。
眼鏡の「蝶番(ヒンジ)」の部分に、でっかいシャネルのマークが。
思わず、まじまじと見つめてしまいました。

続きは、また今度。


スポンサーサイト

| 平凡だけど幸せな日 | 01:14 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

カオポンさん、早速素敵な文章にして下さってありがとうございます。
そうそう、あの日すごく久し振りにあのお店に行き、楽しくて嬉しくて、
お二人が着いたときには、私・・・

完全に樽酒の支配下にありました。

急なお誘いにお付き合いくださって
ありがとうございました。

また呑みにいきたいですね。
あの大陸的な雰囲気とてもいいですよね♪
カオポンさんの写真も素晴らしいです!

| フルート♪ | 2008/01/21 20:43 | URL |

カオポンさん♪ こんばんは~。
ステキな週末を過ごされたのですね~。
ドレスコードを気にしていた下りで、
思わずニコニコになってしまいました(^^♪
そろばんでお会計なんて、本当に昭和ですね!
行ってみたくなるお店でした♪
続きを楽しみにしてます~(^.^)/~~~

| dairu | 2008/01/22 00:28 | URL |

呑み屋

こういうお店は、むしろ都心に残っていたりします。
東京だと新橋や新宿なんかに。
出遅れると、満席だったり、おすすめの新鮮な刺身類なんかがなくなってしまいますね^^;
こういうサラリーマンのおっちゃんの多い店は、コストパフォーマンスが高いのです。

| 和三郎 | 2008/01/22 10:53 | URL | ≫ EDIT

フルート♪さんへ

こんにちは~。先日は本当にどうも有難う御座いました。昭和な匂いのするものが大好きな自分にとって、大甚は物凄く心に残りました。また行きたいですね~。今度は自分達ももっと早くから店の暖簾をくぐって、小皿に並んだ酒の肴を端から端まで食べてみたいです。(笑)

写真の方、どうもお褒め下さって有難う御座います。いつも適当にシャッターを押しているんですが、大甚にいた時もその後も、凄く気持ちが高揚していたので、いつになく楽しく写真を撮ることができました。
いつも楽しませて下さって、本当に有難う御座います。

| カオポン | 2008/01/23 23:17 | URL |

dairuさんへ

こんにちは~dairuさん。
はい!お陰さまでほんと、素敵な週末でした。久しぶりに街の方へでるという事で、最初はそうとうビクビクしていたのですが、お店に入った瞬間、「こういうとこ、好きーーー」と心の中で叫んでましたね。
物凄く沢山食べましたけど、結構安かったです。
御会計の時のそろばんは、見ていてわくわくしましたね。ちなみに、自分とこの近所にもこんな感じのホルモン焼き屋があって、そこも清算する時にそろばんをはじきます。
そろばんの珠をはじく時の音が、何だか風情があってよいなあと思います。

| カオポン | 2008/01/23 23:26 | URL |

和三郎さんへ

>むしろ都心に残っていたりします。

そうなんですね。いやぁ、街の中はビルばかりで今時な作りの店しかないのだろうと思ってました。ほんと、街中で飲んだのは初めてで…。
こういう店は良いですね。居酒屋だけじゃなく、蕎麦屋とか鰻屋で古いところを見つけると嬉しくなります。

| カオポン | 2008/01/23 23:31 | URL |

カオポンさん。ひっさしぶりだね~♪相変わらずタフに活動しているので嬉しいぞよ!
あぁ、これでまた昔のようにお喋りできるんだね。いやぁジャズが好きだったとは!?
音楽に詳しいのは記憶にあるけど・・・ちょっと意外でした。
今日は嬉しい日となりました。サンキュー♪

| はな | 2008/01/26 13:08 | URL |

はなさんへ


いやぁ、どうもどうも、本当に久しぶりであります。(笑)もう10年はお会いしていませんね。でも、未だ御縁が続いていることをとても嬉しく思ってます。
「あの頃」は、はなさんに時々自分達が作ったデモテープを聴いてもらったり、と言うか無理やり聴かせてた感じでした。ジャズじゃなくて、テクノポップな感じの。今聴き直すとあまりの若気のいたりっぷりに、涙が出そうになります。はなさんは寛大に聴いて下さって。
今でも打ち込み系の音も好きですが、自分達で演奏するのも楽しいなと、かれこれ5年ぐらい前から、こういう遊びをしておりますよ。
今年は、はなさんのお店に遊びに行きますね。
またこれからもよろしくお付き合い下さいませ。


| カオポン | 2008/01/27 19:25 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://kaoponcafe.blog8.fc2.com/tb.php/264-86f3dfb4

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。