カフェ番長

カフェ番長「カオポン」の、珈琲と喫茶店日記。 時には鞄を作ったり、ジャズを歌ったり。 手作りの暮らしを楽しんでます。

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おうどん

「京都のおうどんは、腰抜けうどん。麺を食べる言うより、おだしを美味しく頂くんです」と、
生まれた時からずっとずっと京都の文化財に囲まれて育ってきた友人は、
とってもおっとりとした口調で、そう教えてくれた。

はあ、おうどんですかー。わたし、うどんよりきしめん派なんですけどねー。
あと、さぬきみたいに腰入ってないと美味しくないと思うよ。

観光客が殆ど入ってこないような路地裏の飲み屋で、シードルをガブガブ飲みながらそんな話をしたっけ。




水曜日、ネットで京都市美術館でダリ展が開催されているのを知って急に京都へ行くことに決めた。
他にも漫画ミュージアムで江口寿史展がやっているので、それも見に行こうと。
いつもだったら、日が暮れた頃に京都に入って呑んでいるけれど、今回は昼前に到着したい。
じゃあ、おひるごはんは何にしようか……。

その時、ふと「おうどん」の事が頭に浮かんだ。

よっしゃ、お昼は「おうどん」にしよう。きっと、にゃらにゃらな触感なんだろうな。
出かける前に、ちょっとだけネットで候補の店を幾つか調べた。
観光客が列作って並んでいるようなところじゃなくて、
地元の人やそこで働いている人たちが休み時間に食べにくるとこが良いな。
そんな期待を込めて家を出ると、幸いなことに道がとても空いていて、あっと言う間に着いてしまった。
祇園祭でさぞかしごったがえしているだろうと思っていたら、
ちょうど中休みの時期に入っていて、街の中は少し息抜きをしている様子に見えた。
2年前の同じころに一人で行った時も、同じような風景。
いいんじゃない?と、ほくそ笑む。

駅裏の細い路地を進んでいくと、目的のお店に辿り着いた。
全く京都らしくない、どこの町にでもありそうな、ひなびた商店街の一角。
がらがらと扉をあけると、昭和な雰囲気に包まれた店内には、お客が2人。新聞広げて、おうどんをすすっている。
席に座ると、すぐにおばちゃんが、麦茶と一緒に注文を伺いにきた。
「あの……」
短冊に書かれたメニューを見ながら話しかける。
「名古屋から来たんです、京都のおうどんが美味しいって聞いて」
おばちゃんは、にこりと微笑む。
「で、なに食べたらいいかなあって」
「うちはたぬきをおすすめしてます」
「はあ」
「あんかけで、刻んだお揚げさんの上に生姜のってましてな」
「じゃあそれと……・」
あとは、「けいらん」と言うのを注文した。けいらんとは読んで字のごとく鶏卵。
餡かけの卵とじの事を言うらしい。おばちゃんが中に引っ込んだ後、出された麦茶を飲んでいると、ぶーちゃんが「ああ……」と小さな声でうめいた。

「うん?」
しまった。と、言いたげな表情。
「こんなに暑いのに、餡かけってさあ」
と、言った傍から顔が赤い。この数年で、ひとまわり恰幅が良くなった分、随分汗をかきやすくなった家人。
汗いっぱいかいて、痩せるが良い。そう思いながら頷くと、奥のショーケースが気になった。
「なんかな?あれ」
「お寿司……かな?」
常に慎重な行動をするぶーちゃんが、先に立ち上がってケースの方へ行った。
好奇心が優ったが為の意外な展開。
「やっぱり寿司だわ。けど、黄色いのって卵だと思うんだけど」
子どもの様に目が輝いている。
「へえー」
戻ってくると入れ替わるようにして、私も向かう。

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「きれーい」

大衆食堂とは聞いているけど、お昼時にお寿司の小皿がちょこちょこと並んでいるなんて。
一口で食べれるような小さなお寿司。きっとこの揚げも、甘くておいしいんだろうな。
家を出る前に、おむすびを沢山食べてきたので、残念だけどお寿司は諦める事にした。
写真に撮ってみたら、お寿司の可愛らしさに和んだ。
しばらくすると、仕事の休憩に入った人たちががやがやと店の中に入ってきた。
作業着のまま、店の一角に陣取るとメニューも見ないですぐに注文。
カレーうどんに、たまご乗っけて。俺、ひやしうどん。あ、俺もカレー。
さすが地元民。京都らしいメニューはたのまない。いや、自分もカレーうどんがあるのを知ってましたよ。
でも友達が言っていた「だしを食べる」なら、普通のうどんでしょう。
ああでも、カレーうどんかあ。カレーも良いよなあ。
そんな自問自答を繰り返していると、頼んでいたおうどんが登場。

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ふわーーー、本当に……。
あっつあつの、おうどん!
でも、食べるぞ。

無言のまま見合わせると、私たちはうどんをすすった。


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だしは、かつおと昆布を丁寧にとっているのがすぐに伝わってきた。さぬきうどんの様な独特の甘さは無い。
けれど、このおだしも美味しい。
ちゃんと摩り下ろした生姜のおかげで、予想以上に体が温まってくる。冬の厳しい時期に食べたら、もっと美味しく感じるだろう。
麺は、思ったとおりのにゃらにゃらな麺。これはこれでいける。
「うまい」
ぶーちゃんが短く感想を伝える。そうか、ぶーちゃんも満足しているんだ。
続いて常連さんの席に運ばれたカレーうどん。だしの利いたカレーの匂いがする。
スマホを片手に、四方山話で盛り上がっている。これが日常なので、誰もうどんを写真に収めようとはしない。

すみませんねー。観光客気分まるだしで。
恐縮しつつも、おうどんをぱしゃり。そんな様子を、お店のおばちゃんはニコニコと眺めている。
おうどん1杯500円なり。とても安いと思う。

「どうでした?おうどん」
清算の時に、おばちゃんはそう聞いてきた。
はい、とても美味しかったです、おうどん。

今度は寒い時にまた来ますね。そう言ったら、おばちゃんは「気をつけて」と送り出してくれた。



京都でおうどんも、良いですよ~。




※拍手コメントありがとうなもなも

Kちゃん、ありがとうー。そうなんだよ、この人最近のブームなんですわ、私の。
尾崎亜美の、どら猫の様にしゃがれた声。かっこいいよねー。
私もいつか、あんな声になりたいですよ!陽水のアルバム、今度おうち来た時に聴かせてよ!うんうん。










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| 家ごはんと、お弁当 | 08:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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